サイコロジカルラインは「投資家の心理」を表す指標です。
単純な計算式ではありながら、大衆心理のそろそろ逆張りしたくなるような心境を見える化できます。
そのため、サイコロジカルラインを上手に活用することで、投資家心理を読み解き、トレードを有利に進めることができます。
投資家の心理を理解できれば、大衆心理に沿ってトレンドに乗ることも、大衆心理の逆を突いて逆張りを仕掛けることもできるからです。
本記事では、「サイコロジカルラインの基本的な考え方と計算方法、見方と具体的な使い方、注意点や他の指標との併用方法」などを分かりやすく解説します。
サイコロジカルラインとは何か
サイコロジカルラインは「投資家の心理」を表す指標です。
一定期間における値上がり日数(終値が上昇した日数)の割合から買われ過ぎや売られ過ぎを判断します。
サイコロジカルラインの定義
サイコロジカルラインの値が大きい場合、株価の上昇勢いが強いと判断できます。
逆に弱いと株価が売られやすい状況であると判断できます。
つまり、サイコロジカルラインは株価がどの程度の「強さ」で売られているか買われているかを理解できるのです。
サイコロジカルラインの基本的な計算方法
サイコロジカルラインの具体的な計算式は以下の通りです。
対象期間内の終値が上昇した日数÷対象期間×100(%)
例えば、12日間で6日間上昇した場合、以下の計算式になります。
6÷12×100=50%
サイコロジカルラインとRSIの違い
サイコロジカルラインは、一般によく使われるRSI(相対力指数)と似た指標ですが、考え方が若干異なります。
きちんと違いを理解しておくことが大切です。
サイコロジカルラインは単純に上昇日数の割合を示します。
RSIは上昇日数値幅から相場の強弱を判断します。
サイコロジカルラインの見方と使い方
サイコロジカルラインの値の見方は比較的簡単です。
サイコロジカルラインの基本設定と見方
サイコロジカルラインの基本設定と見方は以下の通りです。
- 通常は「12日間」のうちに何日間値上がり日数があったかで判断
- 25%以下の場合は売られすぎのサイン
- 75%以上の場合は買われすぎのサイン
サイコロジカルラインの多くは強弱度合いから逆張り戦略で用いることが多いです。
サイコロジカルラインを使った具体的な取引例
サイコロジカルラインは投資家心理を推し量る指標です。
例えば、とある銘柄が5連騰した場合、そろそろいったん調整が入るかなと投資家は予想すると思います。
それが、6連騰、7連騰・・・10連騰と続けば、さらに多くの投資家がいったん調整が入るだろうと考えます。
この投資家心理を数値化したものがサイコロジカルラインです。
実際の取引での活用例を見ていきましょう。
サイコロジカルラインは25%以下の場合は売られ過ぎのサインとなります。
つまり、売られ過ぎのサイン到達した場合に逆張りでエントリーを行います。
逆に75%以上は買われ過ぎのサインです。
買われ過ぎのサインに到達したら利益確定の手仕舞いを行います。
サイコロジカルラインを使う際の注意点
サイコロジカルラインは使い方を誤ると逆効果になる場合もあります。
トレンドが強い時の注意点
サイコロジカルラインは強いトレンドが継続している場合、必ずしも的確なタイミングを示してくれるとは限りません。
例えば上昇トレンド時に「売られすぎ」を示してもそのまま上昇が続くこともあります。
逆に下落トレンド時に「買われすぎ」を示してもさらに下落が継続することもあります。
強いトレンドが発生している状況かどうかを意識して使うように心がけましょう。
値幅が考慮されていないことによるリスク
サイコロジカルラインは、値幅の大きさ自体は考慮されていません。
計算式からも分かるようにあくまでも陽線、陰線の本数から算出されるものです。
そのため、陽線の本数が多くても上昇時の値幅が小さく、陰線の値幅が大きい場合は損失となる可能性もあります。
このような特徴を正しく理解して、他の指標で補うようにすると良いでしょう。
他のテクニカル指標との併用方法
サイコロジカルラインは単独で使うよりも、他の指標と併用することで、より確実な売買シグナルを得ることができます。
代表的な併用例をいくつか見ていきましょう。
サイコロジカルラインとRSIの併用
サイコロジカルラインは売買の強弱を示し、RSIは価格の上昇・下落の比率を示す指標です。
この2つを組み合わせることで、より精度の高い売買シグナルを捉えられます。
具体的には、サイコロジカルラインとRSIがともに買われ過ぎ、売られ過ぎに到達した場合にエントリーを行うことでだましを回避できる可能性が高まります。
RSIについてシステムトレードで検証した結果を以下に記しましたので参考にして下さいね。
サイコロジカルラインとDMIの併用
DMIを知っている投資家は少ないかもしれませんが、とても使える指標でサイコロジカルラインと相性が良いです。
DMIは、トレンドの強さを示す指標です。
サイコロジカルラインとDMIを組み合わせることで、トレンドの強弱も加えて推し量ることになります。
具体的にはDMIからトレンドが弱い状況を読み取り、その場合にサイコロジカルラインの買われ過ぎ、売られ過ぎを信じると良いでしょう。
このように、サイコロジカルラインに他の指標を組み合わせることで、単独の場合よりも確実性の高い売買ができるようになります。
DMIはトレンド強弱を推し量るのに強力な指標ですので、覚えておくと良いでしょう。
【株】サイコロジカルラインの使い方とその効果 まとめ
- サイコロジカルラインは、投資家心理を推し量るための指標
- 25%以下で「売られすぎ」、75%以上で「買われすぎ」と判断できる
- 「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」を利用して逆張りとして活用する。
- トレンドが強い場合は逆張りが機能しない場合もあるので注意する。
- 他の指標と併用することで、より確実なシグナルが得られる。
サイコロジカルラインに関するよくある質問
最後に、サイコロジカルラインに関するよくある質問と回答を紹介します。
- Qサイコロジカルラインはいつ使うべき?
- A
サイコロジカルラインは、トレンドが不明瞭で値動きの荒い相場が適しています。
また、取引時間内での短期売買に向いている指標です。
一方で、長期的な売買戦略には向いていません。
したがって、デイトレードなどの短期取引に活用するのがベストな使い道と言えます。
長期的な売買戦略においては、他の手法を検討する必要があります。
- QRSIとサイコロジカルライン、どちらを使うべき?
- A
サイコロジカルラインは、トレンドが不明瞭で値動きの荒い相場が適しています。
RSIとサイコロジカルラインはどちらも売られ過ぎ、買われ過ぎを推し量る指標です。
これらを組み合わせることで勝率を高めることが可能になるため、どちらかではなくどちらも利用するのが良いでしょう。
コメント