テクニカル分析で最も使われている指標が「移動平均線」です。
その「移動平均線」で最も有名な戦略が「ゴールデンクロス/デッドクロス」戦略だと思います。
「ゴールデンクロス」で買って「デッドクロス」で売る戦略がどの程度有効なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では「ゴールデンクロスで買って、デッドクロスで売る戦略の有効性を検証」していきます。
システムトレードツールを使って具体的な条件、数字を出して勝率などを検証していきますので是非、最後までお付き合いくださいね。
- 移動平均線を利用した戦略を学びたい人
- ゴールデンクロス/デッドクロスを一歩踏み込んで理解したい人
- ゴールデンクロス/デッドクロスの使い方（何足をみるか等）、投資戦略を学びたい人
こんにちは。株トレ＠兼業（@kabutore0721）です。
画像をクリックするとプロフに飛びます
日本株【ゴールデンクロス】は意味ない？勝率は？システムトレードで検証
日本株全市場のゴールデンクロスの検証結果（勝率など掲載）
システムトレードツール『イザナミ』で検証した結果、勝率などを検証結果を表に纏めました。
条件は以下の通り。詳しくは以下に画像付きで解説しています。文末の検証条件へ
- 投資資金500万でレバレッジ１倍運用
- 投資期間2010年1月から2022年12月の12年間
- 日本株全市場
- 寄りで成行で買い仕掛け、売り手仕舞い
| 移動平均線 | 2010年1月～2022年12月までの取引結果 | ||
|---|---|---|---|
| 長期/短期 | ５日/25日 | 25日/75日 | 75日/200日 |
| 取引回数 | 4,895回 | 1,961回 | 741回 |
| 平均保有期間 | 17.73日 | 57.64日 | 151.00日 |
| 勝率 | 35.53％ | 38.96％ | 37.65％ |
| ペイオフレシオ | 2.18倍 | 2.52倍 | 3.92倍 |
| 運用リスク率 | 0.12％ | 0.20％ | 0.30％ |
| 最終運用資金 | 8,895千円 | 12,360千円 | 14,407千円 |
| 利益率 | 77.90% | 147.20% | 188.14% |
| PF | 1.20倍 | 1.61倍 | 2.37倍 |
| 最大DD | 25.11％ | 19.43％ | 37.71％ |
※青の下線は３戦略で良い数字にマーカーしてます。
システムトレードの言葉が分からない方は以下に辞書を用意しています。
日本株全市場のゴールデンクロスの検証結果（勝率など掲載）まとめ
勝率は約35％～40％程度と低いものの、利益が見込める損小利大の戦略であることが分かりました。
利用する移動平均線の期間に応じて保有期間も伸びる傾向があるようです。
インとアウトが明確で分かりやすく、株式投資初心者には使い勝手がよい手法かもしれませんね。
少し条件を厳しくして勝率やドローダウンを改善すれば、さらに使える戦略に磨きがかかると思います。
もともと順張り戦略はもともと勝率が低くなりがちですからね。
損小利大で利益を伸ばす戦略ということを覚えておくと良いでしょう。
日本株「ゴールデンクロス/デッドクロス」とは？
ここからは順を追って説明していきます。
ゴールデンクロス/デッドクロスの前に「移動平均線」を復習しておこう
ゴールデンクロス/デッドクロスを学ぶには「移動平均線」を理解しておくことが重要です。
簡単に言えば「移動平均線」は指定期間の終値を平均して線で結んだもの。
以下の記事で詳しく解説しています。
TradingViewで利用できる自作インジケーターも紹介しているのでぜひ覗いてみてくださいね。
ゴールデンクロス/デッドクロスとは？
移動平均線を理解したら、次は「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」を整理/理解していきましょう。
簡単に言えば、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」は、異なる時間軸の移動平均線がクロスするタイミングを指し、クロスの方向の違いで呼び名と意味が異なります。
短い時間軸の移動平均線が、長い時間軸の移動平均線を上抜ける場合を「ゴールデンクロス」、上昇トレンドが期待できます。
逆に下抜ける場合を「デッドクロス」、下落トレンドとなる可能性があります。
ゴールデンクロスとデッドクロスの基礎を以下の記事でまとめています。
日本株全銘柄のゴールデンクロス/デッドクロスをシステムトレードツールで勝率などを検証
ここからは「ゴールデンクロス」で買い、「デッドクロス」で売る戦略を検証していきます。
検証にはシステムトレードツール「イザナミ」を利用しています。
システムトレードの検証は、勝率や利益率等いろいろな値を客観的に見ることができます。
日本株全銘柄を対象に2010/1/1～2022/12/31の期間、資産500万円を元にした検証結果です。
イザナミを触ってみたい方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
文末に検証条件をまとめています。検証条件を確認する。
日本株全銘柄のゴールデンクロス/デッドクロスの検証（勝率など掲載）
日本株全銘柄の「ゴールデンクロス/デッドクロス」5日移動平均線と25日移動平均線
12年で500万円⇒890万円（390万円）の資産増となりました。
勝率35.53％、利益率77.90％の損小利大戦略。
保有期間も17日と比較的好まれやすい戦略かもしれませんね。
5日移動平均線と25日移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロス戦略の検証 取引結果（2010年～2022年末）
取引回数：4895回 勝率：35.53％ 平均保有日数：17.73日 最終利益率：77.90％ 最大ドローダウン：25.11％
5日移動平均線と25日移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロス戦略の検証 資産推移グラフ
2010年に500万円で開始、2022年末で890万へUP
資産が上下に振れていることから、安心してトレードするのが少し難しいかもしれません。
日本株全銘柄の「ゴールデンクロス/デッドクロス」25日移動平均線と75日移動平均線
12年で500万円⇒1,236万円（736万円）の資産増となりました。
勝率38.96％で利益率147.20％の損小利大の戦略。
平均保有期間が約40日と比較的長い保持期間の戦略ですが、ドローダウンが他より低いのは良いと思います。
資産が右肩上がり伸びているので、ストレスなく投資を続けられそうですね。
25日移動平均線と75日移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロス戦略の検証 取引結果（2010年～2022年末）
取引回数：1961回 勝率：38.96％ 平均保有日数：57.64日 最終利益率：147.20％ 最大ドローダウン：19.43％
25日移動平均線と75日移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロス戦略の検証 資産推移グラフ
2010年に500万円で開始、2022年末で1,236万へUP
資産グラフが安定して右肩上がりな点は評価。2018年～2020年の下落は注意。
日本株全銘柄の「ゴールデンクロス/デッドクロス」75日移動平均線と200日移動平均線
12年で500万円⇒1,441万円（941万円）で一番の資産増加となりました。
勝率37.65％で利益率188.14％の損小利大の戦略。
平均保有期間が約151日と長い保持期間の戦略、ドローダウンが深いのはマイナス点ですね。
75日移動平均線と200日移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロス戦略の検証 取引結果（2010年～2022年末）
取引回数：151回 勝率：37.65％ 平均保有日数：151.00日 最終利益率：188.14％ 最大ドローダウン：37.71％
75日移動平均線と200日移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロス戦略の検証 資産推移グラフ
2010年に500万円で開始、2022年末で1,441万へUP
日本株【ゴールデンクロス】は意味ない？勝率は？システムトレードで検証 まとめ
ゴールデンクロス/デッドクロス戦略は勝率は約35％～40％程度の利益が見込める損小利大の戦略です。
利用する移動平均線の期間に応じて保有期間も伸びる傾向があります。
勝率が低いことから負けが続くと資産を一時的に減らしてしまう可能性があります。
一方でトレンドに乗った時は利益を大きく狙えるため、総合的に資産増加を見込める戦略だと思います。
特にインとアウトが明確で分かりやすいのが、株式投資初心者には嬉しいポイントですね。
このようにシステムトレードでは、曖昧に語られがちなテクニカル指標の結果に対しても数値で「見える化」することが可能です。
システムトレードを利用するには条件設定でテクニカル指標を嚙み砕いて言語化する必要があり、理解が深まり、学ぶのにも最適です。
興味がある方は是非以下の記事も参考にしてみてくださいね。
資産運用のコツは複数の市場に投資すること。
いろいろな市場に分散投資することで、リスクを分散し、長く資産運用を続けていけるようになります。
また、いろいろな投資方法を準備しておくと稼ぎやすい市場を選ぶこともできるのでオススメです。
ゴールデンクロス/デッドクロスのQA
- Qゴールデンクロスとは何ですか？
- A
一般的には短期移動平均線が長期移動平均線を下から上抜けする場合を指し、株価上昇となるケースが多いです。
ただし、だましとなるケースもありますので、本記事で詳しく解説します。
- Qゴールデンクロスの勝率とは？
- A
勝率35%～40％程度の損小利大の戦略です。
当記事でシステムトレードツールを用いて検証しました。
- Qゴールデンクロスは何足でみる？
- A
本記事では5日と25日、25日と75日、75日と200日の３種類の移動平均線を元に検証しています。
参考）日本株「ゴールデンクロス/デッドクロス」の検証条件
詳しい検証条件を画像付きで紹介します。
以下のリンクからそれぞれの文章に戻ることができます。
冒頭のまとめ「日本株【ゴールデンクロス】は意味ない？勝率は？システムトレードで検証」へ戻る
文中の解説「ゴールデンクロス/デッドクロスをシステムトレードツールで検証」へ戻る
検証にはシステムトレードツール『イザナミ』を使用
システムトレードツールを始めるなら0円無料の『イザナミ』が優秀です。
是非とも、一緒にシステムトレードを始めてみませんか？
ゴールデンクロス/デッドクロス検証条件
5日移動平均線と25日移動平均線を例にゴールデンクロスを検証した条件を例として記します。
他の期間についても同様の条件で検証しています。
リアルな情報をお届けするために、余計な条件は含めてません。
バックテスト（基本設定）
期間：2010/1/1～2022/12/31
バックテスト（対象銘柄）
全個別銘柄を対象とします。
バックテスト（仕掛け条件）
5日移動平均線が25日移動平均線を下から上へ突き抜けた翌日寄付きに成行で買いでエントリーする。
バックテスト（手仕舞い条件）
5日移動平均線が25日移動平均線を上から下へ突き抜けた翌日寄付きに成行で手仕舞いする。
最適分散投資（運用設定）
基本的には初期値です。
期間：2010/1/1～2022/12/31 単利運用（通年） 手数料無し
最適分散投資（資金設定）
基本的には初期値です。
資金500万、レバレッジ1％
最適分散投資（優先設定）
基本的には初期値です。
バックテストの条件で複数の銘柄がヒットした場合の優先順位の設定になります。
コメント