一目均衡表意味ない?雲の見方、使い方とは?システムトレードで検証

一目均衡表意味ない?雲の見方、使い方とは?システムトレードで検証株式投資

一目均衡表って、実は日本人が発明したテクニカル指標ってこと、知ってましたか?

ペンネーム一目山人が2,000人のスタッフと7年かけて生み出した指標と言われています。

「相場は買い方と売り方の均衡が崩れた時に大きく動くので、どちらかが優勢か分かればよい。それを一目で知ることができる」が由来だそうです。

現在ではその有用さが評価され、海外投資家にも「Ichimoku」として、人気の指標となっています。

そして、多くの要素(時間・波動・値幅)から成り立つ性質上、情報量が多い指標です。

初心者には少し情報量が多く、取っつきにくいかもしれませんが、基本を押さえて使いこなせるようになりましょう。

こんな読者にオススメ
  • 一目均衡表の基本情報を身につけたい人
  • 一目均衡表を利用した戦略を知りたい人
  • 一目均衡表に裏付けられた市場の傾向分析を知りたい人
  1. 一目均衡表とは?一般的な特徴を解説
    1. 一目均衡表とは?
    2. 一目均衡表の特徴とは?
      1. 一目均衡表の構成要素①『基準線』
      2. 一目均衡表の構成要素②『転換線』
      3. 一目均衡表の構成要素③『先行スパン』と雲
        1. 先行スパン1
        2. 先行スパン2
      4. 一目均衡表の構成要素④『遅行スパン』
  2. 一目均衡表『三役好転』の具体的な使い方を検証
    1. 一目均衡表と言えば、最強の『三役好転』
    2. 一目均衡表 検証条件(検証条件共通)
    3. 一目均衡表の三役好転を評価する
      1. 一目均衡表の三役好転の設定条件
      2. 一目均衡表の三役好転の検証結果
  3. システムトレードで一目均衡表の『雲』を検証
    1. 一目均衡表「雲の上抜け」を評価する
      1. 一目均衡表の雲の上抜けの設定条件
      2. 一目均衡表の雲の上抜けの検証結果
      3. 一目均衡表の雲の上抜け(雲の厚みによる傾向確認)
    2. 雲が支持線として機能するか
      1. 一目均衡表の雲の支持線の設定条件
      2. 一目均衡表の雲の支持線の設定結果
      3. 一目均衡表の雲の支持線(雲の厚みによる傾向確認)
  4. 一目均衡表意味ない?雲の見方、使い方とは?システムトレードで検証 まとめ
  5. テクニカル指標もシステムトレードで検証!分析結果も公開中
    1. 基本中の基本、移動平均線を押さえよう。TradingViewのインジケータも公開
    2. システムトレードでゴールデンクロスを検証。勝率とは?
    3. ボリンジャーバンドとは?戦略や勝率を紹介
    4. ボリンジャーバンドと相性のよいRSIを紹介。売られ過ぎとは?

一目均衡表とは?一般的な特徴を解説

一目均衡表とは?一般的な特徴を解説 一目均衡表の5つの構成要素 「基準線」「転換線」「遅行スパン」「先行スパン1」「先行スパン2」
一目均衡表の5つの構成要素
「基準線」「転換線」「遅行スパン」「先行スパン1」「先行スパン2」

一目均衡表とは?

一目均衡表の大きな特徴は二つです。

この二つは一目均衡表の最大の特徴であり、理解しておくべき概念になります。

  • 転換線/基準線/先行スパン1/先行スパン2/遅行スパンの5本で構成されている
  • 時間/波動/値幅の3要素を用いて多くの情報を得ることが可能

一目均衡表の特徴とは?

まずは、一目均衡表の転換線・基準線・先行スパン・遅行スパンの5本をみていきます。

一目均衡表の構成要素5本に対する計算式
一目均衡表の構成要素5本に対する計算式

一目均衡表の構成要素①『基準線』

一目均衡表の「基準線」とは、26日間の最高値と最安値の平均を結んだ線になります。

基準線=(過去26日間の最高値+最低値)÷2

26日間の推移を見ていくことになるので、中期的なトレンド方向を確認するのに優位性があります

基準線が右肩上がりで、基準線の上にローソク足がある場合は強気な上昇トレンドを表します。

逆に基準線が右肩下がりでローソク足が下に位置している場合は弱気な下降トレンドを表します。

一目均衡表の構成要素②『転換線』

一目均衡表の「基準線」とは、9日間の最高値と最安値の平均を結んだ線になります。

転換線=(過去9日間の最高値+最低値)÷2

過去9日間の値を扱うので、基準線より転換線は短期的なトレンドを表すことになります。

転換線と基準線は短期移動平均線と中期移動平均線の関係と同様に考えることができます。

つまり、基準線を転換線が上抜けた場合をゴールデンクロス(上昇トレンド示唆)、転換線を基準線がした抜けた場合をデッドクロス(下落トレンド示唆)と理解しましょう。

移動平均線のゴールデンクロスは必ず押さえておきたい指標ですので、確認しておいてくださいね。

「株|ゴールデンクロスとは?デッドクロスとは?何足で見る?」へ推移

一目均衡表の構成要素③『先行スパン』と雲

一目均衡表の「先行スパン」とは「先行スパン1」と「先行スパン2」の2種類があります。

2種の「先行スパン」で囲われた領域を「雲」と呼び、一目均衡表で最も意識される重要な指標です。

先行スパン1

基準線と転換線の平均値を26日後に表示する。

先行スパン1={(転換線+基準線)÷2} ※26日先に表示
先行スパン2

過去52日間の最高値と最安値を26日先に表示する。

先行スパン2={(52日間の最高値+最低値)÷2} ※26日先に表示
一目均衡表の「先行スパン1」と「先行スパン2」及び「雲」
一目均衡表の「先行スパン1」と「先行スパン2」及び「雲」

2種の「先行スパン」で囲われた領域を「雲」と呼びます。

「雲のねじれ」は、トレンドの勢いが増すまたは、トレンド転換が起こると言われているので注意しましょう。

画像の通り「雲のねじれ」を見るべきは、ローソク足との重なり箇所ではなく、26日先に表示された部分ということに注意してください。

また、雲は抵抗線と支持線として機能し、雲が厚いほど雲抜けするのにエネルギーを必要と言われています。

そのため、厚い雲の中ではレンジ相場を形成しやすいです。

そして、雲抜けした場合はそのままトレンドを継続しやすいです。

雲を上抜けた場合は上昇圧力が強く、下抜けた場合は下降圧力が強いとみることができ、順張りエントリーポイントの定石です。

一目均衡表の構成要素④『遅行スパン』

一目均衡表の構成要素④『遅行スパン』
一目均衡表の構成要素④『遅行スパン』

一目均衡表の「遅行スパン」とは当日の終値を26日前に表示したものになります。

画像の通り、26日前に表示した遅行スパンと26日前のローソク足の比較(26日前と当日のローソク足の比較)ということ。

一目均衡表で最も重要な指標と言われています。

遅行スパンがローソク足を上抜けした場合、買いシグナル(上昇相場)となります。

逆にローソク足を下抜けた場合、売りシグナル(下落相場)と言われています。

一目均衡表『三役好転』の具体的な使い方を検証

一目均衡表『三役好転』の具体的な使い方を検証

ここからは一目均衡表をシステムトレードツール『イザナミ』を使って分析していきます。

無料で無期限に利用できるツールなので、是非いろいろな人に使って見て欲しいです。

「無料♪日本株でシステムトレード『イザナミ』をオススメする理由8選」へ推移

それでは、最強の『三役好転』を見ていきましょう。

一目均衡表と言えば、最強の『三役好転』

一目均衡表で最強と言われる『三役好転』を検証していきます。

3つの条件を達成した場合で、達成する順序も大切なので意識してください。

  1. 転換線が基準線を上抜け⇒『均衡表の好転』
  2. 遅行スパンがローソク足を上抜け⇒『遅行スパンの好転』
  3. 終値が雲の上抜け⇒『三役好転』

※逆の形を『三役逆転』

一目均衡表 検証条件(検証条件共通)

検証ルールは2010年1月~2022年12月の期間において、全個別銘柄としています。

一目均衡表の共通条件 検証期間:2010年1月~2022年12月 全銘柄
一目均衡表の共通条件
検証期間:2010年1月~2022年12月
全銘柄

一目均衡表の三役好転を評価する

一目均衡表の三役好転の設定条件

前提条件:期間が2010年1月~2022年12月で、全個別銘柄を対象

一目均衡表の三役好転の仕掛け条件、手仕舞い条件 以下の三つが揃ったら買い ①均衡表の好転(前日までに) ②遅行スパンの好転(前日までに) ③三役好転 建値から利益率±5%で翌日成行手仕舞い
一目均衡表の三役好転の仕掛け条件、手仕舞い条件
以下の三つが揃ったら買い
①均衡表の好転(前日までに)
②遅行スパンの好転(前日までに)
③三役好転
建値から利益率±5%で翌日成行手仕舞い

一目均衡表の三役好転の検証結果

三役好転を検証した結果、まずまずの成績となりました。

決して手放しで喜べるような結果ではありませんが、勝率も50%を超え、平均利益>平均損失となっています。

つまり、約1週間の保有期間で、微勝ちを積み重ねれるとも言えるのではないでしょうか。

取引回数保有日数勝率平均利益平均損失ペイオフ
レシオ
30,186回6.22日52.02%3.88%3.82%1.02倍
一目均衡表の雲の上抜けの設定結果

システムトレードで一目均衡表の『雲』を検証

システムトレードで一目均衡表の『雲』を検証

一目均衡表の『三役好転』はそれなりの戦略となりました。

今度は一目均衡表の特徴でもある『雲』について深堀しましょう。

雲が理解できれば、一目均衡表で大事な時間という概念「いつ」が見える事でしょう。

トレンドが転換するか、加速するかに着目した戦略結果を見ていくことにしましょう。

一目均衡表「雲の上抜け」を評価する

雲が上抜けた場合にそのまま上昇を続けるか、雲の厚さは関係があるかを検証します。

一目均衡表の雲の上抜けの設定条件

一目均衡表の雲の上抜けを評価する 買い条件:3連続雲の中を推移した後に終値が雲を上抜けた翌日に成行買い 手仕舞い条件:建値±5%または保有日数が5日以上で翌日成行手仕舞い
一目均衡表の雲の上抜けを評価する
買い条件:3連続雲の中を推移した後に終値が雲を上抜けた翌日に成行買い
手仕舞い条件:建値±5%または保有日数が5日以上で翌日成行手仕舞い

一目均衡表の雲の上抜けの検証結果

検証した結果は、期待に反して利益を得ることができない結果となりました。

つまり、上抜けを安易にエントリー条件としてはいけないということです。

取引回数保有日数勝率平均利益平均損失ペイオフ
レシオ
15,338回6.17日50.03%3.87%4.02%0.96倍
一目均衡表の雲の上抜けの設定結果

一目均衡表の雲の上抜け(雲の厚みによる傾向確認)

雲上抜けにおける雲の厚さの関連性を見ていきます。

調査結果は以下の通りで、薄い雲の場合が有利であることが分かりました。

これは、一般的な解釈とは異なるので注意してください。

一目均衡表の雲の上抜けの調査結果 薄い雲のほうが期待値が高く、一般的な解釈とは逆の動きとなりました。
一目均衡表の雲の上抜けの調査結果
薄い雲のほうが期待値が高く、一般的な解釈とは逆の動きとなりました。

雲が支持線として機能するか

次は雲で株価が反発するか、雲の厚さは関係があるかを検証します。

一目均衡表の雲の支持線の設定条件

一目均衡表の雲が支持線として機能するかの検証条件 買い条件:5日連続雲の上限より終値が高く、雲の上限を割り込んだら翌日に成行買い 手仕舞い条件:建値±5%または保有日数が5日以上で翌日成行手仕舞い
一目均衡表の雲が支持線として機能するかの検証条件
買い条件:5日連続雲の上限より終値が高く、雲の上限を割り込んだら翌日に成行買い
手仕舞い条件:建値±5%または保有日数が5日以上で翌日成行手仕舞い

一目均衡表の雲の支持線の設定結果

検証した結果は、期待に反して利益を得ることができない結果となりました。

つまり、雲の上限を反発期待として、安易にエントリーしてはいけないということです。

取引回数保有日数勝率平均利益平均損失ペイオフ
レシオ
26,375回5.95日50.40%4.24%4.23%1.00倍
一目均衡表の雲の支持線の設定結果

一目均衡表の雲の支持線(雲の厚みによる傾向確認)

雲に厚みが反発のしやすさに関連性があるかを検証しました。

検証した結果、雲が厚いほど期待値が高いことから抵抗線として機能する事がわかりました。

雲が厚い場合に逆張り戦略として組み込んでみると使える戦略になりそうですね!

一目均衡表の雲が支持線として機能するかの検証結果
一目均衡表の雲が支持線として機能するかの検証結果

一目均衡表意味ない?雲の見方、使い方とは?システムトレードで検証 まとめ

一目均衡表意味ない?雲の見方、使い方とは?システムトレードで検証 まとめ

今回は一目均衡表について、基本的な考え方、具体的な戦略、戦略結果についてご紹介しました。

それではおさらいしていきましょう。

  • 転換線/基準線/先行スパン1/先行スパン2/遅行スパンの5本で構成
  • 一目均衡表の最強設定は『三役好転』
    三役好転の条件(順番も大事):①均衡表の好転②遅行スパンの好転③三役好転
  • 検証結果は『三役好転』は微益が期待できる
  • 一般的な解釈とは異なり、薄い雲を上抜けた場合に上昇トレンドとなる。
  • 雲が厚い場合に雲の上限が抵抗線として機能しやすい

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