株式投資と言えば、移動平均線が最も有名なテクニカル指標かと思います。
移動平均線で最も注目すべきゴールデンクロスとデッドクロスを学べば、INとOUTの判断条件を明確にできるので、一つの投資戦略として使えると思います。
この記事では、「ゴールデンクロスとはなにか、デッドクロスとはなにかについて詳しく解説します。また、どのように活用することができるか」について考えていきます。
この記事を読んで、ゴールデンクロスを使った投資戦略のヒントになれば幸いです。
結論!ゴールデンクロス/デッドクロスを何足で見るかを解説
ゴールデンクロスの出現条件と判断基準(何足で見るか)とは
ゴールデンクロスやデッドクロスの出現条件とは?
ゴールデンクロスの出現条件は、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上抜けすることです。
デッドクロスはその逆で、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下抜けすることです。
ここで一つ注意したいのは、短期移動平均線と長期移動平均線の設定期間によって見え方が大きく変わるということは覚えておきましょう。
移動平均線を何足で見るかという事が重要ということです。
ゴールデンクロスが発生すると、上昇トレンドの始まりと考えることができるため、買いシグナルと判断することができます。
デッドクロスが発生すると、下落トレンドの始まりと考え、売りを検討しましょう。
ゴールデンクロスやデッドクロスを移動平均線の何足で見るか
ゴールデンクロスやデッドクロスを理解するためには、それを構成する移動平均線を理解する必要があります。
その中でも何足で見るかはまず押さえておきたい事の一つです。
基本的には多くの投資家が見ている期間を使うことが重要です。
多くの投資家が見ているということは、売買が活発になるポイントでもあるからです。
売買が活発になるということは、トレンドが加速したり、転換となったり、変化が起きやすい場所になります。
一般的なゴールデンクロスを推し量る期間は以下の通りです。
ゴールデンクロスパターン | 短期移動平均線 | 中長期移動平均線 |
---|---|---|
日足 | 25日線と75日線 | 50日線と200日線 |
週足 | 13週線と25週線 | 25週線と52週線 |
月足 | 9ヶ月線と24ヶ月線 | 24ヶ月線と60ヶ月線 |
移動平均線で最も注目すべきゴールデンクロス/デッドクロスとは?
移動平均線を使う上で重要なゴールデンクロスやデッドクロスの基礎を見ていきます。
ゴールデンクロスとは?デッドクロスとは?
ゴールデンクロスとは、異なる時間軸の移動平均線がクロスするタイミングのことを指します。
具体的には、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜ける場合を「ゴールデンクロス」と呼びます。
逆に、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜ける場合を「デッドクロス」と呼びます。
ゴールデンクロスとデッドクロスを構成する、『移動平均線』の基礎を復習したい人は以下の記事を参考にして下さい。
あなたはSMAやEMAという言葉が何を表すか、その特徴が何かを理解していますか?
即答できない人は以下の記事を読んで知識を深めてくださいね。
ゴールデンクロスやデッドクロスとは?特徴を解説
ゴールデンクロスは、株価が上昇トレンドに転換するシグナルの1つとされています。
ゴールデンクロスは短期移動平均線が長期移動平均線を下か上に抜けていくこと⇒株価が上昇する勢いが強いということになります。
一方、デッドクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下に抜けていくこと⇒株価が下落する勢いが強いということになります。
長期的に株価が下落した局面から上昇トレンドに転じる際、移動平均線は短期⇒中期⇒長期の順番で上を向き上昇していきます。
つまり、反応が鈍い長期移動平均線を反応が敏感な短期移動平均線が下から上へ抜けていく構図になります。
短期移動平均線が中期移動平均線を上抜けた瞬間のことを言う。
上記例ではゴールデンクロスは3箇所。①短期移動平均線を中期移動平均線が上抜け⇒②短期移動平均線が長期移動平均線を上抜け⇒③中期移動平均線が長期移動平均線を上抜け。
※移動平均線の位置で、クロスの順番が変わることがあります。
ゴールデンクロス/デッドクロスが注目される理由とは?
ゴールデンクロスの予測力とは?
ゴールデンクロスは、過去の株価動向から未来の動向を予測する手法の一つであり、その予測力が高いとされています。
過去の経験やバックテスト(実際の過去の株価を用いてシステムトレード等を用いて検証した結果)、ゴールデンクロスが発生した株価銘柄はその後の値上がり率が高いことが分かっています。
そのため、投資家の注目を集める指標です。
例えば、S&P500指数において200日移動平均線と50日移動平均線がゴールデンクロスを形成した場合、その後1年間で平均して9.26%のリターンが得られることが過去のデータから分かっています。
ゴールデンクロスの影響力とは?
ゴールデンクロスはとても有名な指標であるため、多くの投資家が注目しています。
そのため、ゴールデンクロスのタイミングは、良くも悪くも売買が活発に行われるポイント=株価が急激しやすいポイントにもなります。
ゴールデンクロスが発生した企業の株価に注目すると、その後の数か月間にわたって上昇することが多いという統計データもあります。
ただし、ゴールデンクロスが発生したからといって必ずしも株価が上昇するとは限りません。
株式市場は複雑な動きをするため、他のファンダメンタルズやテクニカル指標、そして市場の状況にも注目し、多角的な分析を行うことが重要です。
ゴールデンクロス/デッドクロスの分析方法とは?
ゴールデンクロス/デッドクロスが示す相場の意味とは?
ゴールデンクロスの相場分析の基本とは?
ゴールデンクロスとは、トレンドを分析するための指標の一つであり、株価が上昇トレンドにあるかどうかを判断する際に用いられます。
特に、中期移動平均線と長期移動平均線がクロスするゴールデンクロスが発生した場合は、中長期的に上昇トレンドが発生していることを表し、さらに株価の上昇が期待できます。
ゴールデンクロス/デッドクロスと時間軸の関係とは?(何足で見る?)
自分がトレードを行う時間軸と発生しているゴールデンクロスの関係(何足で見るか)を意識することも重要です。
例えば、長期目線の投資家には、短期の移動平均線のゴールデンクロスは参考にはならないかもしれません。
何故なら、長期的に株価が上がるのかが最も重要で、短期的なトレンドはあまり重要ではないからです。
しかし、中長期的に株を保有するトレーダーにとっては有益な情報になりそうです。
例えば、以下の図を見て下さい。
青〇の中期移動平均線と長期移動平均線でゴールデンクロスしたときにエントリーを行ったとします。
株価はしばらく上昇を行いますが、やがて緑〇のところで今度は短期移動平均線と中期移動平均線でデッドクロスが発生してしまいました。
ここでも十分利益が取れていますが、実際にはこのデッドクロスはだましとなってさらに上昇トレンドを継続しているのが分かるかと思います。
このように株価が短期的には下げる場面でも、長期的なトレンドを継続する場面では押し目として買いのポイントにもなるということです。
そのため、株価の推移を何足で見るか時間軸を意識してトレードはとても重要になります。
青〇:中期移動平均線と長期移動平均線がゴールデンクロス
緑〇:短期移動平均線と中期移動平均線がデッドクロス
ゴールデンクロスの検証方法について
ゴールデンクロスの検証方法としては、過去の株価データを用いたバックテストが一般的です。
バックテストとは、過去のデータを使ってトレードをシミュレーションすることで、実際にトレードを行わずに戦略の効果を検証することです。
また、リアルタイムでゴールデンクロスが発生した際に、どのような結果が得られるかを検証することも重要です。
ただし、過去のデータに基づくバックテストでも、将来の市場環境が変化した場合には例外的な動きをすることもあるため、角度が高い参考情報程度に考えると良いでしょう。
以下の記事では実際に私が日本株におけるゴールデンクロスの勝率や利益率等をシステムトレードツールを用いて検証しています。
ゴールデンクロスの勝率や利益率を検証した条件とともに公開している記事は多くはないと思います。
今後の投資において必ず財産になると思いますので、是非参考にしてみてください。
ゴールデンクロスと市場のトレンドの関係とは?
ゴールデンクロスは、経済や市場動向(インフレやデフレ等)とも密接な関係があります。
市場が上昇トレンドにある場合、株価も上がりやすいため、ゴールデンクロスが発生する確率が高まります。
同じように、企業の業績が好調な場合も、株価が上昇することが多くゴールデンクロスが発生しやすくなります。
つまり、逆説的に考えると、ゴールデンクロスが発生している銘柄は、上げるだけの材料がある可能性が高いとみることができます。
ゴールデンクロスを利用した投資術とは
ゴールデンクロスが出現した銘柄の分析方法とは
株式投資を行う上で銘柄選びは非常に重要です。
お宝銘柄を探すに為には多くの投資家が『スクリーニング』によって投資対象の銘柄を選択します。
スクリーニングとは、特定の条件に応じた銘柄を抽出できる機能です。
このスクリーニングを使って「ゴールデンクロスが出現した銘柄」を抽出することができます。
個人的にはSBI証券のスクリーニング機能を使っています。
先に説明した通り、ゴールデンクロスが出現しているということは株価が上昇しやすい状態、理由がある可能性が高いです。
銘柄選びの際に、そういった銘柄からあたりをつけて業績や財務状況など調べていくと時短に繋がるかもしれませんね。
また、業績や財務状況を裏付けとすることで、将来的な株価上昇する確率を上げることが可能です。
ゴールデンクロスを繰り返し確認する
日本株投資を行う上での注意点として記載します。
銘柄ごとに特有の癖がある場合があります。
- この銘柄はゴールデンクロスが出現してもだましになることが多い
- 一定期間は上昇を続けてそれから下落することが多い
その癖を掴むことができれば、勝率を高めることができるかもしれません。
ゴールデンクロスが出現した銘柄について、同様の現象が繰り返されるかどうかを確認することで、長期的な上昇トレンドが継続する可能性を判断することができます。
ゴールデンクロスを活用したポートフォリオの構築方法
株式投資の基本は、リスク分散して資産を守る事です。
そのために、銘柄を分散して複数保持すること(ポートフォリオを構築すること)が重要です。
ゴールデンクロスを活用した投資方法についてもこの考えを生かすことで勝率を高めることが可能です。
ゴールデンクロスは一般的には上昇が見込みやすいとされていますが、絶対ではありません。
そこで、ゴールデンクロスが発生する銘柄複数に仕掛けることで、特定の銘柄で損失がでてもトータルで資産を増やす確率を高めることが可能です。
ポートフォリオを組むうえで大事なことは、似たような銘柄を選ぶのではなく関連性がなるべくないような銘柄を複数選ぶことが良いでしょう。
ゴールデンクロス/デッドクロスを使った投資術の注意点とは
ゴールデンクロスだけに依存することのリスクとは?
ゴールデンクロスに関する市場の変化とは
ゴールデンクロスが発生しても、相場の急激な変化によって予想通りの動きをしないことがあります。
相場の動きは様々な要因によって決まるため、ゴールデンクロスだけを見て投資判断をすることは危険です。
ゴールデンクロス以外の相場情報の確認の重要性とは
ゴールデンクロス以外にも、様々な相場情報が存在します。
企業の業績や経済指標、政治情勢などの要因が、相場に与える影響は大きいです。
ゴールデンクロスを含め、複数の相場情報を総合的に判断することが投資判断の精度を高めるために重要です。
ゴールデンクロスを判断するためのツールや指標について解説する
ここまで、移動平均線を用いたゴールデンクロスやデッドクロスをご紹介してきました。
しかし、ゴールデンクロスやデッドクロスは移動平均線だけを意味するものではありません。
ここでは他の指標によるゴールデンクロスをいくつか紹介します。
移動平均線の種類によってゴールデンクロスにもその特徴が現れる
移動平均線は、一定期間の価格データの平均を表示したもので、短期移動平均線と長期移動平均線を比較することで、ゴールデンクロスの判断ができることを説明してきました。
しかし、移動平均線にはいろいろな種類があります。
「単純移動平均線」「指数平滑移動平均線」「加重移動平均線」・・・など。
それらを使ったゴールデンクロスはそれぞれの移動平均線の特性を引き継ぎます。
加重移動平均線のゴールデンクロスは単純移動平均線のゴールデンクロスよりも敏感に反応することになります。
MACDを使ったゴールデンクロスとは?
MACDは、移動平均線を使った指標であり、短期EMA(Exponential Moving Average)と長期EMAの差を計算して表示します。
MACDのゴールデンクロスは、MACDがシグナル線を下から上に突き抜けた状態を指します。
これは、短期EMAが長期EMAを上から下回った後、短期EMAが長期EMAを上から上回ったことを意味しています。
このゴールデンクロスが形成された場合、買いシグナルとみなされ、相場が上昇する可能性が高いと考えられます。
MACDのゴールデンクロスについても解説しています。
MACDだけでも勝てる投資戦略のヒントになれば幸いです。
ゴールデンクロスを活用した実践的な投資術とは?
ゴールデンクロスの手仕舞い方法
ゴールデンクロスを使った投資方法に限った話ではありませんが、株式投資で大事なことは仕掛ける前に手仕舞い条件を考えてからエントリーすることです。
ゴールデンクロスの手仕舞い方法としては、以下のようなものが考えられます。
出口戦略は様々ありますが、ゴールデンクロスを利用した戦略は主に順張り戦略になるかと思います。
順張り戦略の基本は損小利大の徹底、順張りは勝率の高い投資方法ではありませんが、利益率は高い優秀な方法です。
一般的には勝率3割を目標に利益率を高める戦略を検討すると良いと思います。
【株】ゴールデンクロスは何足で見る?デッドクロスも考察 まとめ
資産運用のコツは複数の市場に投資すること。
いろいろな市場に分散投資することで、リスクを分散し、長く資産運用を続けていけるようになります。
また、いろいろな投資方法を準備しておくと稼ぎやすい市場を選ぶこともできるのでオススメです。
ゴールデンクロスの基礎知識を復習する
ゴールデンクロスとは何か?
ゴールデンクロスとは、短期移動平均線が長期期移動平均線を上回る状態を指します。
ゴールデンクロスが発生すると、買いシグナルとみなされ、株価上昇の可能性が高いとされています。
多くの投資家が、ゴールデンクロスを重要な指標として利用していますので良くも悪くも株価は大きく上下することが多いです。
ゴールデンクロスの条件とは?何足で見る?
一般的な期間を用いることが重要ですが、投資家によっては別の期間を用いることを得意とするトレーダーもいます。
あくまでも一例であり、投資家によって使用する期間は異なりますので注意が必要です。
ゴールデンクロスパターン | 短期移動平均線 | 中長期移動平均線 |
---|---|---|
日足 | 25日線と75日線 | 50日線と200日線 |
週足 | 13週線と25週線 | 25週線と52週線 |
月足 | 9ヶ月線と24ヶ月線 | 24ヶ月線と60ヶ月線 |
ゴールデンクロスの種類は何か?
ゴールデンクロスは広義的に考えると二本の指標が交差するポイントを指します。
最も有名なものが移動平均線を使ったものになります。
移動平均線についても単純移動平均線や指数潤滑移動平均線や加重移動平均戦など様々あります。
また、それ以外にもMACDを利用したものなど様々なものがあります。
ゴールデンクロスの信頼性とは
ゴールデンクロスは、一般的に株価上昇の前兆として捉えられていますが、必ずしも信頼性が高いとは言えません。
例えば、ゴールデンクロスの発生で逆に下落する場合もあります。
これは、ゴールデンクロスは株価上昇するという投資家心理を逆手にとって売りを仕掛ける機関投資家などが存在するためです。
また、市場の状況や企業の業績など、他の要因によっても同然左右されます。
そのため、他の分析指標や要因と併せて慎重に判断することが重要です。
例えば、ボリンジャーバンドや一目均衡表と合わせて判断の正当性を高めることが重要です。
ゴールデンクロス/デッドクロスのQA
- Qゴールデンクロスとは何ですか?
- A
一般的には短期移動平均線が長期移動平均線を下から上抜けする場合を指し、株価上昇となるケースが多いです。
ただし、だましとなるケースもありますので、本記事で詳しく解説します。
- Qゴールデンクロスは投資においてどのように活用されますか?
- A
順張り戦略として多くの投資家が利用しています。
損小利大を意識した投資戦略を立てることが重要です。
本記事で詳しく解説します。
- Qなぜ、ゴールデンクロスはあがるのか?
- A
ゴールデンクロス発生時は移動平均線が右肩上がりで上昇トレンドが発生しています。
株価はトレンドに沿って推移することが多いため、株価が上がっていくことが期待できます。
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