記事内に広告が含まれています。

【株】ストキャスティクスとは?使い方やRSIとの違いを解説

【株】ストキャスティクスとは?使い方やRSIとの違いを解説 株式投資

皆さんはオシレーター指標には何を使っていますか?

今回はRSIと同じく投資家に人気の「ストキャスティクスストキャスとも呼ばれる)」を紹介します。

ストキャスティクスはRSIと同じオシレーター指標で「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を推し量る指標ではありますが、似て非なるもの

RSIとは考え方も使い方も異なりますので、きちんと理解して間違った使い方をしないように注意しましょう。

違いが説明できない人は、当記事を読んで、理解を深めてくださいね。

ストキャスティクスを間違って理解したために「使えない指標」と勘違いしている人も多いとか多くないとか。

今回の記事を読めば、間違った使い方を正して「使える指標」に再評価してもらえること間違いなしです。

こんな読者にオススメ
  • ストキャスティクスの基本情報(設定方法や計算式)を身につけたい人
  • ストキャスティクスを利用した手法を知りたい人
  • ストキャスティクスとRSIの違いを正しく理解したい人
  • ストキャスティクスと相性の良い指標を知りたい人

ストキャスティクスとは何か?

ストキャスティクスとは何か?

ストキャスティクスの特徴とは

ストキャスティクスは1950年代末に、ジョージ・C・レーン氏により開発されたオシレーター指標の一つです。

ファーストストキャスティクス」と「スローストキャスティクス」の2種類があります。

それらを構成する要素として、%K(パーセントケー)」、「%D(パーセントディー)」、「Slow%D(スローパーセントディー)」の3種類のラインが用いられます。

相場の過熱感を0~100%の範囲で数値化する指標で、買いサイン、売りサインを推し量ることが可能です。

順を追って詳しく見ていきますのでよければ見てってください。

ストキャスティクスの買われ過ぎ、売られ過ぎ水準とは

ストキャスティクスの買われ過ぎ、売られ過ぎ水準は一般的には以下の通り。

  • 20%以下を売られ過ぎ
  • 80%以上を買われ過ぎ

ただし、ストキャスティクスは容易に張り付くことも多く注意が必要

ストキャスティクスの注意点とは

ストキャスティクスはレンジ相場において特に有効です。

一方で、強いトレンドが出ているときは上下に張りついてしまい機能しなくなるため注意が必要です。

上昇トレンドでは敏感に反応する%Kは簡単に張り付きますので気を付けてください。

この「上下に張り付くことがある」はストキャスティクスの大きな特徴の一つですので意識しながら使うと良いと思います。

多くのサイトでは説明されていませんが、以下の考え方も重要です。

  • ストキャスティクスが50%を超えて拡大局面では、上昇相場が安定して方向性が出ている状況
  • ストキャスティクスが50%を割っての縮小局面では、下落相場が安定して方向性が出ている状況

ストキャスティクスは「ファーストストキャスティクス」と「スローストキャスティクス」の2種を理解する

ストキャスティクスは「ファーストストキャスティクス」と「スローストキャスティクス」の2種を理解する

ストキャスティクスには「ファーストストキャスティクス」と「スローストキャスティクス」の2種類があります。

ファーストストキャスティクスとスローストキャスティクスはどちらを使う?

時間軸にもよりますが、ファーストストキャスティクスは敏感に反応しすぎるため、一般的にはスローストキャスティクスが使われることが多いです。

私もどちらかと言われれば、スローストキャスティクスを重要視しています。

具体的には発生した順番も意識しています。

ファーストストキャスティクスが反応後に、スローストキャスティクスが反応した場合に確度が高いと判断することも有効です。

ファーストストキャスティクスは株価に敏感に反応するが、ダマシが多くなります。

それに比べて、スローストキャスティクスはファーストストキャスティクスに比べて反応は遅くなりますが、その分ダマシが少なくなります。

ファーストストキャスティクスとは

ファーストストキャスティクスは株価に敏感に反応するが、ダマシが多くなるという特徴があります。

ファーストストキャスティクスでは、「%K」「%D」の2本のラインを利用します。

%Kは対象期間の変動幅において直近の価格がどこの位置にあるか(最安値からの位置)を示す数値です。

%Dは%Kを単純移動平均化したもの(通常は%Kの3日移動平均=%D)です。

売りサイン→80%以上の「買われ過ぎ」で%Kが%Dを上から下へクロス(デッドクロス)

買いサイン→20%以下の「売られ過ぎ」で%Kが%Dを下から上へクロス(ゴールデンクロス)

スローストキャスティクスとは

ファーストストキャスティクスに比べ、スローストキャスティクスは株価への反応が遅い分、ダマシは少なくなる特徴があります。

スローストキャスティクスでは、「%D」「Slow%D」の2本のラインを利用します。

%Kを移動平均化して、さらにそれを移動平均化した%D。

その%Dをさらに移動平均化したSlow%Dを利用しています。

計算式からも分かるようにファーストストキャスティクスの敏感さを抑えてだましを少なくする効果があるということになります。

売りサイン→80%以上の「買われ過ぎ」で%DがSlow%Dを上から下へクロス(デッドクロス)

買いサイン→20%以下の「売られ過ぎ」で%DがSlow%Dを下から上へクロス(ゴールデンクロス)

ストキャスティクスの基本的な設定期間と最強設定

基本的な考え方は他の指標と同じで、最強設定=初期設定値になります。

大勢が利用するため、初期設定値は注目度が高くなることで株価の反転や加速が起こりやすいポイントになります。

過去に株価が反転、加速したポイントとストキャスティクスの売られ過ぎ、買われ過ぎ水準がマッチしているか、事前に相関関係を確認しておくことをオススメします。

過去の株価とストキャスティクスの関係性に相関が無い場合は、設定変更して相関が無いか確認しましょう。

基本的には%Kを微調整し、%DやSlow%Dの設定は初期値のままでよいです。

%Kには「9日」間を用いるのが一般的です。

5日や14日や20日や26日などが使われるので確認しておくと良いです。

ただし、9日は敏感に反応しがちですので短期トレーダー向けな印象です。

スイング投資を行う場合は、もう少し長めの設定も意識しましょう。

%DやSlow%Dには「3日間」を設定するのが一般的です。

基本的には%DやSlow%Dは基本的にはいじらなくて大丈夫です。

ストキャスティクスの構成要素「%k」「%D」「Slow%D」とは

ストキャスティクスの「%k」とは

%Kは対象期間の変動幅において直近の価格がどこの位置にあるか(最安値からの位置)を示す数値です。

%K =(現在の株価 - 過去n日間の最安値)÷(過去n日間の最高値 - 過去n日間の最安値)

※取引ツールの設定で%Kで設定するのが「n」値になります。

理解を深めるために、例題を3件示します。

例1)
過去9日間の最高値が2,000円、最安値が1,600円、現在株価が1,700円の場合
⇒ %Kは0.25%になります。

(1,700 - 1,600) ÷ (2,000 - 1,600) = 0.25

例2)
直近株価 = 過去9日間の最高値の場合%Kは100%

例3)
直近株価 = 過去9日間の最安値の場合%Kは0%

ストキャスティクスの「%D」とは

「%Dライン」は「%Kライン」のN日間平均を表します

N日間平均とは、投資家になじみのある移動平均線(N日)と考えてもらえれば理解しやすいと思います。

%D = A ÷ B × 100
 ※A = (当日終値 - 過去n日間の最安値)のN日間合計
 ※B = (過去n日間の最高値 - 過去n日間の最安値)のN日間合計

※取引ツールの設定で%Kで設定するのが「n」値で、%Dで設定するのが「N」値になります。

ストキャスティクスの「Slow%D」とは

「Slow%D ライン」は「%Dライン」のY日間平均を示します

Slow%D (SD)= %DのY日間平均

※取引ツールの設定でSlow%Dで設定するのが「Y」値になります。

ストキャスティクスとRSIの違いを理解する

ストキャスティクスとRSIの違いを理解する

ストキャスティクスはRSIとよく似ているので違いをきちんと理解して使うようにしましょう。

両者ともにオシレーター指標になり、「売られすぎ」「買われすぎ」を判断するものです。

ですが、ストキャスティクスとRSIでは、考え方や使い方には違いがあります。

RSIに自信が無い人は以下からおさらいしておいて下さい。

「【株】RSIとは?「売られ過ぎ」の活用法をシステムトレードで検証」へ推移

ストキャスティクスとRSIの「考え方」の違い

ストキャスティクスとRSIでは同じ100%を表した場合でも意味合いが異なることは押さえておいてください。

それぞれの計算式から考えてみます。

ストキャスティクス(%K)を求める式は、
%K =(現在の株価 - 過去n日間の最安値)÷(過去n日間の最高値 - 過去n日間の最安値)

RSIを求める式は、
RSI = n日間の上昇日数 / (n日間の上昇日数 + n日間の下落日数)

ストキャスティクスは先に話をした通り、「株価の位置(最安値からの位置)」を元に買われ過ぎや売られ過ぎを判断します。

それとは異なり、RSIは「上昇した日数」を元に買われ過ぎや売られ過ぎを判断します。

ストキャスティクスが容易に100%(張り付き)になる反面、RSIは100%はなかなか起きない事が理解できるのではないでしょうか。

ストキャスティクスとRSIのそれぞれが100%を示す意味とは?

例えば、14日間の株価で表すと、、、

  • ストキャスティクス(例えば%K)が100%の場合というのは、14日後の株価が最高値であるということ。
  • RSIが100%ということは、14日間連続で、株価が上昇し続けているという事。

ストキャスティクスとRSIの「使い方」の違い

ストキャスティクスとRSIでは「売られすぎ」や「買われすぎ」を判断する視点は同じでも使い方は異なります。

主に、RSIは1本(9日RSI等)のラインの位置で判断します。

それに対して、ストキャスティクスは2本(スローストキャスティクスでいえば%DとSlow%D)のラインの位置とクロス状況も併せて確認します。

「売られすぎ」や「買われすぎ」を表すボーダーラインも異なってる点は要注意です。

指標ファースト
ストキャスティクス
スロー
ストキャスティクス
RSI
売られ過ぎ20%以下
+%Kが%Dを下抜け
20%以下
+%DがSlow%Dを下抜け
30%以下
買われ過ぎ80%以下
+%Kが%Dを上抜け
80%以下
+%DがSlow%Dを上抜け
70%以下
ストキャスティクスとRSIの売られ過ぎ、買われ過ぎの判断方法

ストキャスティクスを活用した戦略

ストキャスティクスを活用した戦略

スローストキャスティクスの買い戦略

スローストキャスティクスの買い戦略
スローストキャスティクスの買い戦略
赤色:ストキャスティクスが20%以下で、ゴールデンクロスが発生したタイミングで買い
青色:ストキャスティクスが80%以上で、デッドクロスが発生したタイミングで手仕舞い

スローストキャスティクスの買われ過ぎ/売られ過ぎ+2本のラインクロスを意識した売買戦略を紹介します。

レンジ相場ではこの戦略が有効です。

具体的な戦略は以下の通りです。

スローストキャスティクスの買い戦略
  • レンジ相場を対象とする。
  • スローストキャスティクスの2本(%DとSlow%D)の線が20%以下でゴールデンクロスをした場合に買い
  • スローストキャスティクスの2本(%DとSlow%D)の線が80%以上でデッドクロスをした場合に売り

INとOUTが明確なので、投資初心者には分かりやすくてオススメできる戦略かと思います。

ただし、ストキャスティクスは性質上、比較的敏感に反応する指標であるため、騙しも多い点には注意してください。

ストキャスティクスのダイバージェンス戦略

ストキャスティクスのダイバージェンス戦略
ストキャスティクスのダイバージェンス買い戦略
ダイバージェンスが発生(株価が下落時にストキャスティクスが上昇)後にトレンドが反転上昇

トレンドが発生している場合には、ダイバージェンス戦略が有効です。

ダイバージェンスは逆行現象とも言われ、相場とストキャスティクスの逆転が起きます。

※ダイバージェンスはオシレーター指標でよくみられる観点なので、理解しておきましょうね。

具体的には、株価が上昇しているのにストキャスティクスが下落している。

または株価が下落しているのにストキャスティクスは上昇している場合にダイバージェンスが発生していると判断できます。

具体的な戦略は以下の通りです。

スローストキャスティクスのダイバージェンス買い戦略
  • トレンド発生時を対象とする。
  • 株価が下落中にスローストキャスティクスの2本(%DとSlow%D)が安値切り上げで買い
  • 株価が上昇中にスローストキャスティクスの2本(%DとSlow%D)が高値切り下げで売り
  • ダイバージェンス発生を確認、エントリー後にトレンドが継続する場合はポジション解消(損切り)が大事

ダイバージェンスは株価の未来を示すことから先行指標として参考になります。

ですが、ダイバージェンスは少し曖昧なもので、以下の特徴があります。

エントリー後にさらにトレンド継続する場合は、迷わずポジション解消するようにしてください。

ダイバージェンス買い戦略の注意点(ダイバージェンスは曖昧なもの)
  • ダイバージェンス発生したからと言って、必ずトレンド転換するとは限らない
  • ダイバージェンス発生したからと言って、直ぐに反転するとは限らない

ストキャスティクスと相性の良いテクニカル指標の組み合わせ

ストキャスティクスと相性の良いテクニカル指標の組み合わせ

複数のテクニカル指標を組み合わせることは情報の確度を高めるうえで必要です。

主に以下のメリットが有ると考えられます。

  • 類似する情報を確認して、情報の確度を高める。
  • 全く別の情報と組み合わせて、総合的に評価する。

複数のテクニカル指標を組み合わせて考える癖をつけると良いですが、切り替えるのは手間がかかります。

証券会社のツールや無料のトレーディングビューでは複数のテクニカル指標を同時に表示することができないためです。

そこで、私が自作した「複数のインジケーターを同時に表示できるインジケータ」を他の方も使えるように公開しました。

無料版トレーディングビューで利用可能ですのでよければ確認してみてくださいね。

「有料版購入前に!TradingViewを無料でかしこく使う方法」へ遷移

ストキャスティクス × RSI

ストキャスティクスとRSIがどちらも「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」となれば、より信頼できる情報といえるでしょう。

ストキャスティクスとRSIがどちらも「売られ過ぎ」の場合に買い、どちらも「売られ過ぎ」になったら手仕舞う戦略が有効でしょう。

#ストキャスティクスとRSIの違いを理解する」で説明したようにストキャスティクスとRSIはどちらも「買われ過ぎ」と「売られ過ぎ」を推し量る指標です。

類似する二つの指標を組み合わせることで、精度を高めることが期待できます。

ストキャスティクス × ボリンジャーバンド

ストキャスティクスに加えて、全く別の情報(ボリンジャーバンド)を組み合わせることで複数の視点から総合的に判断できます

株価がボリンジャーバンドの+3σのラインを上抜けた後、ストキャスティクスの%DがSlow%Dを下抜けるデッドクロスが発生したら売りサインと判断します。

一般的にボリンジャーバンドはバンドウォークと呼ばれるトレンドフォローの戦略が有名です。

ただし、株価が3σを超えると買われ過ぎが意識され、短期的に下落する場面が多いのも事実です。

それに加えて、ストキャスティクスのデッドクロスが発生することで、より価格が下落しやすいと判断することができます。

ボリンジャーバンドについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考になります。

「【株】ボリンジャーバンドのバンドウォークや3σ逆張り戦略の勝率を検証」へ推移

【株】ストキャスティクスの具体的な手法や使い方、計算式などを解説! まとめ

【株】ストキャスティクスの具体的な手法や使い方、計算式などを解説! まとめ

今回はRSIと同じオシレーターであるストキャスティクスを紹介しました。

ストキャスティクスはRSIと同じく「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を推し量る指標です。

そのため、考え方の違いやそれぞれの特徴を正しく理解しておくことが重要です。

ストキャスティクスとRSIの違いをおさらい
  • ストキャスティクスは「株価の位置(最安値からの位置)」を元に買われ過ぎや売られ過ぎを判断する。
  • RSIは「上昇した日数」を元に買われ過ぎや売られ過ぎを判断する。
  • そのため、ストキャスティクスが容易に100%(張り付き)になる反面、RSIは100%はなかなか起きない

また、主な戦略としてはスローストキャスティクスが有効である点を紹介しました。

※「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」局面で%DとSlow%Dのゴールデンクロスとデッドクロスをトリガーに売買する戦略

ストキャスティクスは多くのテクニカル指標の中では、マニアックな部類に入るかと思います。

そのため、まずは多くの投資家が使う移動平均線をマスターするのが成功の近道かなと思います。

移動平均線について詳しく以下の記事で解説していますのでこちらも参考にしてみて下さい。

「移動平均線の最強設定。無料トレーディングビュー対応の自作インジケーター公開」へ遷移

コメント

タイトルとURLをコピーしました